自然に恵まれた日本の風土。雨や雪が野山を潤し、川になり地に染み渡り地下に蓄えられた清らかな水のみが、酒造りへの使用を許されます。神杉の酒も、仕込水はもちろん酒瓶を洗う雑用水も、敷地内の井戸から湧き出す天然の地下水。毎年水質検査をやっていますが、ほとんど変化なし。質も量もたいへん恵まれています。
神杉のある安城市はもともと地下水の多い地です。粘土層のため、東を流れる矢作川の伏流水が、割と地表に近いところを流れています。いま、神杉の敷地内にある5本の井戸のうちの1本から、仕込水として理想的な水が湧き出しています。ミネラル分が少ない軟水。夏の渇水時でも水位が下がらず、私たちにとっては「命の井戸」と言えるものです。酒の85%は水。恵まれた水からこだわりの酒を生み出しています。
醸造時に主原料として加える仕込水は、洗米でも使用します。洗米は精米後の米の表面についた糠や米くずを落とす作業。この間に米は水を吸いますから、良質な水を吸わせるため仕込水を使っています。また、高級酒では10℃ぴったりの冷水で丁寧に手洗い。一度短時間で洗い、水を切って重さを量り、水の吸いが悪いな、と思えば5秒間長く洗おう、8秒間長く洗おうと判断します。これは水分含量を一定にするためです。
安城の七夕まつりや、神杉の蔵開き・新酒まつりなどのイベント時、蔵見学にお越しの際に、神杉の仕込水を無料でおわけしています。ペットボトルといわず、ポリタンクをお持ちください。飲み水としてはもちろん、ご飯を炊く時や水割りなど、美味しく利用できます。イベントの日程などは当ホームページでお知らせいたします。写真は当社の「命の井戸」です。